セミナー情報

第58回ICTE情報教育セミナー in 札幌
―オフィス系ソフトの授業から情報科の真髄を掘り起こす―

 おかげさまで札幌でのICTEは今回で10回目を迎えます。10回目の開催にあたり,今回は少し趣向を変えて,オフィス系ソフトの実習を中心とした授業展開を突き詰めつつ,情報科の本質につなげていくことに挑戦します。

 10年前から何度も何度も繰り返されてきた「アプリケーションの操作を学ぶことは情報科の本質ではない」という言葉。この言葉があることで自分を責めてしまう先生も少なからずいらっしゃったのではないでしょうか。目の前にいる生徒が「いま」必要なことは何かということを真剣に考え,結果的にアプリケーション操作実習に偏ってしまったとしてもです。考えてみれば,この言葉は「操作スキルが本質ではない」ということは言っていても,その「本質」についての説明をしていません(もちろん,本質を説明するにはもっとたくさんの言葉が必要だからですが)。

 10年前と今とでは生徒の状況が大きく異なります。本当に操作スキルの習得は本質ではないのでしょうか。スマートフォンの普及に伴い,家庭でもコンピュータに触れる生徒が減ってきている現在,情報を創り出す力を育てるためには,まずコンピュータに対する心理的な距離を縮めることは必要です。タイピングの速さを競うことが本質ではないとしても,目に見える上達は生徒の学ぶ意欲を高めることに役立つかもしれません。そのほかにもオフィス系ソフト中心の授業には,まだ誰も明文化してくれてはいないさまざまな良い効果があるかもしれません。あるいは,情報科の本質にたどり着くまでの「足場作り(scaffolding)」のようなはたらきも期待できるかもしれません。そうした点を認識した上で,カリキュラムを工夫することが必要です。

 賛否両論あるかもしれませんが,テーマを極端なものに据えることで普段の議論にもまして気づきが増えることを期待します。オフィス系ソフトに重点を置いた授業に賛成の先生も反対の先生も,みなさまお揃いで本セミナーにご参加いただければ幸いです。


日時 平成25(2013)年1月11日(金)13:00~17:00
会場 北海道札幌北高等学校
  アクセスマップ
〒001-0025 札幌市北区北25条西11丁目
札幌市営地下鉄南北線「北24条」駅より徒歩15分
主催 情報コミュニケーション教育研究会(ICTE)
後援 北海道教育委員会,札幌市教育委員会
参加費 1,000円
対象 情報教育関係の小・中・高等学校・大学の教職員,大学・大学院の学生
プログラム
12:30- 受付開始
13:00-13:30 開会・趣旨説明

  奥村 稔(北海道札幌北高等学校教諭)

13:30-14:20 実践報告(1):Excelに教えてもらお~,お手軽な処理の方法
―処理の自動化と簡単シミュレーション―


  前田健太朗(北海道帯広緑陽高等学校教諭)

14:20-15:10 実践報告(2):WordからPPTへの効果的な連携を探る
―情報の収集・伝達の基本から,認知科学的な話題への誘い―


  澤田大輝(北海道阿寒高等学校教諭)

15:10-15:30 休憩

15:30-16:20 実践報告(3):何となく決めている,それでいいの!?
―オペレーションズ・リサーチ,AHPによる問題解決―


  奥村稔(北海道札幌北高等学校教諭)

16:20-16:50 まとめとフリーディスカッション

16:50-17:00 閉会


申込・問合せ先

○情報コミュニケーション教育研究会事務局
 〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-12-1 記録映画社ビル4階
 E-mail:icte@icte.net(アットマークは半角) URL:http://www.icte.net/
 FAX:03-3389-4395